座右の書 vol5 流れとかたち 著者エイドリアン・ペジャン&ペダー・ゼイン

デザインは、自然の中で自ずと生じ、進化している現象なのだ

 

私たちは自然の一部であり、私たちのデザインは他のいっさいのものと同等、コンストラクタル法則という同一の原理に支配されているからだ

 

樹木は水を運ぶためのデザインだ。

 

コンストラクタル法則は、樹木と森林が現れて存続するのは大地から大気への水の迅速な移動を促進するためであることを教えてくれる。

 

生命は動きだ。どんな生命体も、動きを維持するのに必要な力をできるかぎり減らしたほうがうまく機能する。稲妻や河川流域が樹状構造を生み出して熱力学的な不完全性を減じ、流れやすくなるはずなのと同じで、動物もなるべく少ない労力で(つまり、食物から取り出す有効エネルギーの単位あたりで)、なるべく大きな距離を移動できるよう進化してきたはずだ。

 

何かを大量に動かすときの効率は、規模に応じて向上する。

 

コンストラクタル法則から生まれるとりわけ強力な洞察は、社会制度とはそれが地表で体現する流れの流動性を高めるために現れて進化する自然のデザインである。

 

文明とは、ますます良くなる流れの物語だ。

 

流動系は、流れを行き渡らせる領域の大きさにちょうど十分なだけの複雑さを生み出す。流動系は自らにとって都合のよい構造を創り出す。各構造の複雑性はほどほどで有限だ。

 

時がたつにつれて、無生物のデザインも生物のデザインも、エネルギーをより効率的に使って、地球上でより多くの質量を動かすように進化してきた。