座右の書 vol21 貞観政要 著者 呉 克克(守屋 洋訳)
まず君主かおのれの姿勢を正すことだ
名君の条件
個人的な側面としては、わが身を正すこと、つまり欲望をおさえて奢侈に走らず万民の手本となるような私生活を送ること。それに臣下の諌言をよく聞きいれることなどかあげられる。
名君の名君たるゆえんは広く臣下の進言に耳を傾けることであります。また、暗君の暗君たるゆえんは、お気に入りの家臣のことばだけしか信じないことであります。
わたしの守りは、相手の攻めの先を読んで、対策を考える、そういう守りなんです。ですから、本質は守りでなく、攻めです。
守成といっても、専守防衛ではなく、攻めを含んだ守りでなければならないということである。
礼をつくして相手に仕え、慎んで教えを受ける。これなら自分より百倍すぐれた人材がまいります。
よいか、たとえていえば、舟とは君主のようなものだ。そして舟を浮かべる水は人民のようなものである。水はよく舟を浮かべるが、時にはひっくりかえしもする。
見るとおり曲がりくねってはいるが、こんな木でもきちんと縄墨をあてさえすれば、まっすぐな木材になる。それと同じように、もともと無道な君主でも、臣下の諫言を聞き入れれば、立派な君主になれる